2011年11月30日

革の鞣しについて

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私は「ヌメ革」と呼ばれる革を好んで使っています。「ヌメ革」とは「タンニン鞣し」という処理をした革のことです。

「鞣す」とは簡単に言うと色々な処理をして、そのままでは腐ったり、硬くなる「皮」を実用的な「革」にする工程のことです。鞣しは皮を鞣して革に変える製革会社(タンナー)で行われます。

鞣しには大きく2種類あり、「タンニン鞣し」と「クロム鞣し」があります。

タンニン鞣しは植物から抽出したタンニン(渋)を使います。収縮が小さく、硬くコシがあり、吸湿性に富む革になります。100%タンニン鞣しは作業時間が長く手間がかかるため、それをやるタンナーは減っていますが、革そのものの雰囲気が残った自然で味わい深い革になります。近年では製造時も焼却時も有害物質を出さず、土に還る革として環境面からも見直されています。

クロム鞣しは3価塩基性硫酸クロムという科学薬品を使います。作業時間が短く量産向けで、柔らかく、収縮性、耐熱性に富む革になります。ミシンで縫うことも出来るので、服飾用等によく使われます。厚さや硬さによっては手縫いも出来ますが、柔らかく、収縮性のある物が多いのでミシン縫いのほうが向いていると思います。色や加工の種類も多く、ファッション性に富んだ物や見ていて面白い物等いろいろです。

私は革そのものの雰囲気が残っているタンニン鞣しの革が好きです。タンニン鞣しの革は使ううちに柔らかくなり、馴染み、色ツヤが増し、味わい深くなっていきます。厚みとコシがあるため手縫いステッチが映える革だと思っています。切り目仕立てでコバを磨けるのも好きな理由の一つです。
posted by gakou at 00:00| Comment(0) | 革や道具や技法について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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