2015年03月28日

革や道具や技法について

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革の事、道具の事、技法の事を紹介していくページです。





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2011年11月30日

革の鞣しについて

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私は「ヌメ革」と呼ばれる革を好んで使っています。「ヌメ革」とは「タンニン鞣し」という処理をした革のことです。

「鞣す」とは簡単に言うと色々な処理をして、そのままでは腐ったり、硬くなる「皮」を実用的な「革」にする工程のことです。鞣しは皮を鞣して革に変える製革会社(タンナー)で行われます。

鞣しには大きく2種類あり、「タンニン鞣し」と「クロム鞣し」があります。

タンニン鞣しは植物から抽出したタンニン(渋)を使います。収縮が小さく、硬くコシがあり、吸湿性に富む革になります。100%タンニン鞣しは作業時間が長く手間がかかるため、それをやるタンナーは減っていますが、革そのものの雰囲気が残った自然で味わい深い革になります。近年では製造時も焼却時も有害物質を出さず、土に還る革として環境面からも見直されています。

クロム鞣しは3価塩基性硫酸クロムという科学薬品を使います。作業時間が短く量産向けで、柔らかく、収縮性、耐熱性に富む革になります。ミシンで縫うことも出来るので、服飾用等によく使われます。厚さや硬さによっては手縫いも出来ますが、柔らかく、収縮性のある物が多いのでミシン縫いのほうが向いていると思います。色や加工の種類も多く、ファッション性に富んだ物や見ていて面白い物等いろいろです。

私は革そのものの雰囲気が残っているタンニン鞣しの革が好きです。タンニン鞣しの革は使ううちに柔らかくなり、馴染み、色ツヤが増し、味わい深くなっていきます。厚みとコシがあるため手縫いステッチが映える革だと思っています。切り目仕立てでコバを磨けるのも好きな理由の一つです。
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2011年11月29日

革の染めについて

鞣した後、ほとんどの革は表面に着色します。染色の仕方は大きく分けて2種類有ります。「染料染め」と「顔料染め」です。

「染料染め」は水に溶ける染料を革に浸透させ着色します。
「顔料染め」は水や油に溶けない顔料を革に塗って着色します。

染料染めは革の表情をそのまま生かすことができ、透明感のある仕上がりになります。水や汚れでシミが出来やすく、色落ちもしますが、革本来の風合いが楽しめます。市販の染料で革を染めたり、草木染めで革を染めて、とても綺麗で赴きのある作品を作っている方も多くいます。 私は染めからはやっていません。

顔料染めは革の表面をコーティングするような加工なので、革そのものの表情は残りにくいですが、水や汚れに強いのが特徴です。革の元々のキズや汚れも覆い隠せるため量産に向いていて、一般の商品にも多く使われます。

私は革の元々の表情をつぶさない染料染めのヌメ革が好きで、作る物の多くに使っています。
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また、色ツヤの変化を大きく楽しめるのも染料染めの革です。下の写真は一年半使って色ツヤが変わった名刺入れです。手縫いの商品はホントに丈夫で長持ちするので、長い時間使っていく中でそういった変化も大きく楽しめる染料染めのヌメ革は手縫い商品に向いていると思っています。

左 : 使用前      右 : 一年半使用
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2011年11月28日

切り目の本磨きについて

切り目というのは、革のヘリを折り返したりせず、裁断面を見せた仕上げのことです。本磨きというのは、その裁断面をヤスリ掛けして整え、色を差し、布海苔をつけて、磨いてツルツルにする古くからの仕上げのことです。

今市販されている革製品の多くは、ヘリを折り返して縫い合わせている物か、切り目でも、裁断面に色の着いた樹脂のようなものを塗布して押さえてあるものがほとんどで、磨きで仕上げているものは少ないです。

磨きは手間も時間もかかるので、市販品(特に量産品)に少ないのも納得です。しかし、丁寧に磨き上げられたコバは見た目も美しく、また衝撃やスレにも強いのが特徴で、より丈夫で長持ちする仕上げ方法です。

私はもともと手縫いという手間も時間もかかる縫い方で製品を作っているので、せっかくならとことん手間暇かけて、美しくかつ丈夫で長持ちする物になったらいいなと思い、コバの仕上げはなるべく切り目の本磨きで仕上げています。

しかし、全て何でもかんでも磨きで仕上げるのがイイとは思っていないので、磨く必要のないと思う様なテイストの物やあえて切りぱなしのほうがいいと思う様な物は何も処理をしないで作ったりもしています。

手縫いステッチと、ツルツルなコバ(裁断面)
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2011年11月27日

持ち手の芯について

鞄(主にブリーフケースやダレスバッグ等)の持ち手部分の芯材は、なるべく革を積み上げ、削り出した革芯を使うようにしています。 プラスティック等で出来ている物も市販されていますが、革芯を使う方が握り心地の良さを実現出来るのと、オーダーの際にはお客様の手に合わせた幅や太さで出来るため、持ち手の芯もなるべく一から作るようにしています。

奥:プラスティックの持ち手芯   手前:革を何枚か積み重ね削り出した革芯
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間に革を挟み二つに折った状態。
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革を巻き付け縫っていく。
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縫い終わったら余分な部分を切り、コバを磨いて完成。
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2011年11月26日

手縫いのいい所

シンプルなスマフォケース。
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中は既製品のシリコン製のケースを縫いつけてある。
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手縫いは菱目打ちという道具で先に縫い穴をあけ、そこに一針一針糸を通して縫っていくので、穴さえあけばどんな素材でも縫い合わせることが出来ます。

革と布はもちろん、革と木や革と金属や革とカーボンや革とetc、、、 とにかく穴さえあけばどんな物でも縫い合わせられるのは手縫いのいい所だと思います。

また、細かい所や、隅っこや、立体になっている物でも針さえ届けばどんな所でも縫うことが出来るのも手縫いのいい所だと思います。

既製品のケースを縫い付けたシンプルなケース。手縫いならではの良さが詰まった品だと思います。
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